不登校を繰り返す原因を探る意味はない?!別のところにある問題の本質を見極める

お子さんが不登校になり、なんとかまた学校に行くことができるようになった。

・・・と思ったその矢先に、再び、不登校になってしまう。

それからも、学校に行けたり行けなかったの繰り返し。

なぜ、不登校を繰り返してしまうのでしょうか?

その原因を探って尽力されている親御さんがたくさんいらっしゃると思います。

ですが、実は、不登校を繰り返す原因を探ることに、あまり意味はありません。

なぜなら、「学校に行けること、行けないこと」に問題の本質があるわけではないからです。

最近では、「学校に行けていて、成績も良く、クラスメイトともうまくやっていた子が、急に自殺してしまった」というニュースが、珍しくなくなりました。

「学校に行けていないからダメ」「学校に行けているから大丈夫」というものではなくなってきているのです。

では、問題の本質は、何にあるのでしょうか?

問題の本質は「比べていること」にある

問題の本質は「比べていること」にある

問題の本質。

それは、「比べている」ということにあります。

お子さん自身が自分とクラスメイトを比べていたり、親御さんがお子さんと他の子どもを比べているのであれば、学校に行けたとしても、どこかで必ず問題が生じます。

  • 学校に行ってはいるけど、いじめに遭っている
  • 学校でクラスの中心人物になっているけど、実はクラスメイトをいじめている

学校に行けていない子はダメで、学校に行って誰かをいじめている子が良い。

そんなことはないですよね。

これらのどちらも、自分と誰かを比べてしまっていることから生じる問題です。

逆に考えると、学校に行っていないとしても、人と自分を比べず、自分の目標のために、学校の行かないことを選択しているのであれば、何も問題はないのです。

私の知人のお子さんは、小学6年生で、テニスの合宿に出るために、学校を1ヶ月休んで、ヨーロッパに滞在されていたそうです。

その前は、アメリカに1ヶ月滞在していました。

教育の多様化が進んでいる現代では、必ずしも学校に行く必要はないのです。

たとえ家でも、勉強の環境としては問題ありません。

Youtubeで「とある男が授業してみた」という動画チャンネルがあるのですが、これは非常に良いです。

「学校で授業を受けるより、わかりやすい」と、この動画を紹介した教え子のほとんどが言います。

他にも、大手の塾が勉強のアプリを開発していますので、それらを使えば家でも十分勉強ができます。

一人で黙々と勉強をやる方が性に合う子どもにとっては、学校よりよっぽど良い環境であると言えるでしょう。

そうにもかかわらず、人と自分を比べて、「学校に行けていない自分はダメだ」と、自分を否定してしまっていることが、問題の本質なのです。

ですので、学校に行きたいなら行けば良いですし、行きたくないなら行かなければ良いです。

すべきことは、

  • 行くなら行くで、「行く」と決めること。
  • 行かないなら行かないで、「行かない」と決めること

なのです。

学校が合わない子どもを無理やり学校に行かせてしまうことの方が、むしろお子さんにとって悪い影響になります。

「繰り返すのは嫌。やっぱり学校に復帰したい」と思っている場合

「繰り返すのは嫌。やっぱり学校に復帰したい」と思っている場合

とは言うものの、「学校に行こう」とお子さん自身が思っているのに、それでも行くことができないということもありますよね。

行きたいのに行き続けることができず、悩んでいるお子さんもいると思います。

そのような場合に大切なことは、次のことです。

「週5日、全て行く必要はない」

週5日全部学校に行けていないと、「自分は学校に行けていない」と思ってしまう子が多いですが、週5日全部行かないといけないということはないです。

では、なぜ、「週5日全部行かないと行けない」と思うかというと、「みんなが週5日全部行っているから」というものがほとんどです。

ここでも、自分と他の人を比べてしまっているのですね。

周りと自分を比べることはせず、週2日行くことができるなら、「週2日は学校に行く」と決めます。

それで良しとします。

大事なのは、自分で決めるということです。

自分で決めたなら、週1回の登校でも良いでしょう。

週1回学校に行って、あとの4日は、家で動画を見ながら勉強すれば、十分勉強はできるようになります。

むしろ、自分の得意分野を伸ばすことができるので、学校に行くより良いかもしれません。

もし、「いや、週5日全部行けるように、絶対になりたいんです!」と思うのであれば、まず、週1回から始めてみてください。

週1回夕方に行くので良いと思います。

週1回が定着したら、次は週2回。

週2回が定着したら、次は週3回。

半年から1年時間をかけて良いです。

このように、少しずつ確実に、歩を進めていきましょう。

どうすれば比べることをやめられるのか?

どうすれば比べることをやめられるのか?

以上のように、問題の本質は「比べていることにある」ということをお伝えしてきました。

・・・とは言うものの、比べない方が良いとわかっていても、つい比べてしまいますよね。

どうすれば比べなくなるのでしょうか?

次の2つを参考にしてみてください。

  1. 問題の本質がわかると、比べる必要を感じなくなる
  2. どうせ比べるなら、確かな基準で比べる

1 問題の本質がわかると、比べる必要を感じなくなる

この記事の最初の方で、「学校に行けている、行けていない」ということが問題の本質ではないということをお伝えしました。

このように、問題の本質が見えてくると、比べる必要を感じなくなり、実際に比べなくなってきます。

例えばですが、勉強のことで比べてしまうことは多いと思います。

勉強で大事なことは、「一科目だけで良いから、とことん伸ばす」ということです。

多くの場合、全教科できていないとダメだと思っています。

ですが、21世紀は専門性の時代ですから、平均的に伸ばす必要はありません。

むしろ、「歴史だけは異常に詳しい」「ダンスは大好きで、いつまでもやっていることができる」というように、1つのことに突出していることの方が大事なのです。

ほとんどの子どもが、一科目だけなら得意科目があります。

もしかしたら、歴史の、戦国時代だけ、詳しいかもしれません。

それでも良いのです。

戦国時代なら戦国時代だけとことん追究させてあげれば良いです。

このように、問題の本質は「平均的に伸ばさないといけない」という思い込みを持ってしまっていることなのです。

他には、お子さんが人とコミュニケーションを取れないことで比べてしまうことがありますよね。

「いつも本ばかり読んでいて、人付き合いが上手じゃない」

このように不安になることがあるかもしれません。

実は、私自身、人付き合いは苦手です。

休みの日は喫茶店に行き、読書をしていれば幸せを感じます。

普段アニメばかり見ていて、「アニメが友達♪」と感じそうになることがあるくらいです(苦笑)

大事なことは、人付き合いが良いことではなく、「人を大切にできること」ですよね。

  • 寡黙だけど、人をよく見ていて、ちょっとした気遣いができる
  • 人とは関われないけど、掃除は好き

など、人付き合いが苦手でも、人の役に立つことはできます。

もし、「人付き合いも苦手、自分中心で人への気遣いもなく、ゴミはポイ捨て、感謝もしない」というようなことであれば、少し考える必要は出てくるかもしれません。

このように、人付き合いが得意かどうかは、問題の本質ではないのですね。

というような、問題の本質をよく考えてみると、そこまで人と比べる必要がないことがわかってきます。

2 どうせ比べるなら、確かな基準で比べる

どうせ比べるなら、確かな基準で比べましょう。

確かな基準で比べるなら、そこまで悪い方向には行きません。

むしろ、自分の問題に向き合う良いきっかけになります。

例えば、これからはグローバル化が進むので、英会話はできた方が良いです。

ですが、英文法中心の「学校英語」ができなくても、ほとんど問題はありません。

また、学校に行けていないことはそこまで問題ではありません。

ですが、自分の在り方が定まっていないことに、問題意識を持つ必要があります。

自分の在り方が定まっている人と自分を比較して、何が足りないのか参考にさせてもらうことができます。

徹底的に比べるなら、何が足りなくて、何を身につけていけば良いか、見えてくるでしょう。

このように、「比べ方」がとても大事になります。

「比べ方」が間違っていなければ、むしろ成長を助けてくれるからです。

正しい比べ方をするのであれば、どんどん比べていきましょう。

不登校を繰り返していたY君が、前に進めるようになったプロセス

不登校を繰り返していたY君が、前に進めるようになったプロセス

ここからは、どのようにお子さんに働きかけていけば良いか、実際の事例を元に、お伝えしていきます。

私が2018年に受け持った、中学2年生のY君は、学校に行ったり休んだりを繰り替えしていました。

学校に行きたくないというストレスが体に現れ、体調不良で学校を休みがちになりました。

体調を整えて学校に行けても、次の日には疲れ切って体調を崩し、数日は学校を休んでしまう状態でした。

Y君は学校にあまり行けていなかったのですが、学校に復帰することを願っていました。

そこでまず私は、Y君とY君の親御さんに、「2ヶ月はじっくり時間を取って準備をしましょう」と話をしました。

無理して学校に行こうとすると、行けないことに失望したり、罪悪感を感じてしまうので、時間を取ることを決めて割り切ることで、学校に行けていないことへの罪悪感を無くしてあげました。

最初の2ヶ月は、じっくりカウンセリングをしたり、勉強を見てあげるなどして、自信の回復に努めました。

2ヶ月経って、心が落ち着いてきた頃に、「週1回学校に行く」ということを相談して決めました。

それから2ヶ月くらいして、週1回学校に行くことが定着した頃に、週2回学校に行くことを、相談して決めました。

そのようにして、週2回学校に行くことが定着してきた頃だったのですが、ある日Y君は、「先生、フリースクールに行くことにしました」とフリースクールに行くことを決めたことを伝えてくれました。

Y君は、学校に行くことが定着はしてきていたのですが、頻繁に体調不良になってしまっていました。

それで、Y君は、「学校は無理だ」と実感したようです。

その頃には、学校に行くことが全てではないとわかっていたので、「学校が無理ならフリースクールに行こう」とすんなり割り切ることができたのです。

今は、中学校には行かない代わりに、高校からは学校に行くことを目指して、勉強と心の管理の練習に努めています。

このように、不登校を繰り返すことに一喜一憂するのではなく、どうするのかをしっかり決めて、できることを確実にやっていくことで、Y君は前に進めるようになりました。

Y君の働きかけでポイントになるのは、次の3つです。

  1. Y君の状態をきちんと把握して、長期的に取り組んだこと
  2. 人と比べず、Y君自身が決めたこと
  3. 進学の仕組みがどうなっているのか、世の中がどうなっているのか、など、きちんとした情報に基づいて考えたこと

1 Y君の状態をきちんと把握して、長期的に取り組んだこと

不登校のお子さんを支援する時は、長期的に見ることが大事です。

不登校になるまで、長い間、我慢をしてきている子どもが多く、我慢した時間が長ければ長いほど、回復にも時間がかかるからです。

回復に時間がかかるにもかかわらず、短期的に回復させようとすると、どこかのタイミングで必ず無理が生じます。

ですので、お子さんの状態をきちんと把握して、どれくらいの期間をかけて取り組むべきか、正確に判断する必要があります。

その決めた期間内であれば、不登校を繰り返しても問題はありません。

もし、その期間を超えても、不登校を繰り返すようであれば、サポートの仕方を考え直す必要があります。

2 人と比べず、Y君自身が決めたこと

Y君は、もう自分とクラスメイトを比較することはほとんどありません。

「無理なら無理でいいや」と自分のことを受け入れています。

だからと言って、投げやりになっているのではなく、「中学校での復帰は難しいから、高校からの復帰を目指す」と自分の状態を理解して、方法を考えました。

今も、体調不良でフリースクールを休むことはありますが、Y君もY君の親御さんも、「まぁ、そういうこともあるよね」と問題視せず、前向きに生活されています。

3 「進学の仕組みがどうなっているのか」「世の中がどうなっているのか」など、きちんとした情報に基づいて考えたこと

では、なぜ、Y君が自分で決めることができているかというと、進学の仕組みや仕事に就く方法など、これから最低限何が必要で、どう準備することが必要なのかを理解したからでした。

私がカウンセリングや勉強を指導する中で、

  • 受験がどういう仕組みでできているのか
  • 大学や専門学校に進学するとどうなるのか
  • これからの時代、大学や専門学校で何を学ぶ必要があるのか

など、進学に必要な情報をたくさん伝えました。

その情報を元に、「中学校は行けていなくても大丈夫。でも、高校からは行った方が良さそう。だから、高校から行けるように準備する」と判断することができました。

このように、何が問題の本質になっているかを理解した上で考えたことで、人と比べることなく、自分の進路と、それまでの生活の仕方を決めることができるようになりました。

不登校のサポートには、本質を見極めるための情報が必要

不登校のサポートには、本質を見極めるための情報が必要

ここまでお伝えしてきたように、不登校を繰り返すこと自体が問題の本質ではありません。

ですので、不登校を繰り返すことの原因を探らなくても大丈夫です。

ただし、お子さんの状態をしっかりと把握して、何が最善なのかを見極めて選択していくことが重要です。

そのためにはまず、確かな情報が必要です。

他の記事でも不登校のお子さんのサポートについて、情報発信しているので、参考にしていただけたら幸いです。

P.S.

以下のページでは、不登校を繰り返してしまう原因についても、考察しています。

【朝になると学校に行けない時の対処法|無意識を味方にする3つのステップ】

どうして繰り返してしまうのか、その心のメカニズムを理解することに参考にしていただけたら幸いです。