不登校で「周りの目」が怖い時に、逆に「周りの目」を活用して、安心感を得させる方法

不登校のお子さんは、「周りの目」を気にしてしまいます。

  • クラスメイトが、不登校の自分のことをバカにしているのではないか?
  • 先生が学校に来てほしいと願っているのに、自分はそれに応えられていない
  • 親に迷惑をかけてばかりで、親にも失望されているのではないか?

というように、周りの人が自分をどう思っているのか、ネガティブに考えてしまいます。

がんばって学校に行ったとしても、周りの目が怖くて、教室に入るのが怖いです。

家にいたらいたで、「あいつ、学校来てないよな」とバカにされているのではないかと不安になります。

このように、周りの目を気にするあまり、学校が怖い場所になり、自分のことが嫌いになっていきます。

こんなにも不登校の子どもを苦しめる「周りの目」。

どう対処したら良いのでしょうか?

実は、この「周りの目」を逆にうまく活用することができます。

苦しめるのが「周りの目」であるなら、助けてくれるのも「周りの目」なのです。

では、どのように「周りの目」を活用し、お子さんが学校復帰するための足がかりにすれば良いのか、お伝えします。

不登校のお子さんが「周りの目」を気にしてしまう時の対処法|身近な人がどう見ているかを伝えてあげる

不登校のお子さんが「周りの目」を気に

不登校の子どもは、なぜ、「周りの目」が怖いのでしょうか?

実は、自分がどう思われているか、「わかっていない」ということが、一番の恐怖を与えます。

「バカにされていたらどうしよう」と心配になりますが、実際にバカにされているかどうかはわかりません。

極端な言い方ですが、バカにされていることがはっきりしてしまえば、つらいですが、諦めがつきます。

不登校の子どもにとって怖いのは、バカにされていること以上に、「これから」バカにされてしまうことなのです。

このように、「わからない状態」が一番恐怖を与えるのですね。

逆に考えると、どう思われているかをはっきりさせてしまうことで、心が落ち着かせることができます。

ですので、まずは親御さんご自身が、お子さんのことをどう思っているのかを、伝えてあげてください。

  • お子さんが生まれた時、どんなことを感じたか
  • お子さんの好きなところはどんなところか
  • お子さんのすごいと思うところはどんなところか

など、お子さんに対して感じていることを、肯定的に伝えてあげます。

次に、お祖父ちゃんお祖母ちゃんなど、お子さんを肯定的に見てくれている人たちにも、どう感じているかを伝えてもらいます。

  • 孫が生まれた時、どんな気持ちだったか
  • お孫さんと一緒にいるとどんな気持ちになるか
  • お孫さんが会いに来てくれるとどんな気持ちになるか

など、どう感じているかを肯定的に伝えてもらいます。

このように伝えてあげると、お子さんの心は安心します。

では、なぜ、「どう思っているか」を伝えるとお子さんの心が安心するかというと、2つの理由があります。

1つ目の理由は、伝えてあげることで「認識されている」という安心感を得られるからです。

実は、子どもにとって、一番怖いのは「認識されないこと」なのです。

いじめで何が一番つらいかというと、無視されることです。

クラスメイトに話しかけても反応してくれなかったり、空気のように扱われ悪口さえ言われないなど、自分のことをいないも同然に扱われることが一番つらいです。

「自分は、この世界に必要のない人間なんだ」と、自分の存在価値がボロボロになってしまいます。

このように、子どもは、「自分が認識されないこと」に、一番の恐怖を覚えます。

逆に、親や祖父母がどう感じているかを子どもに伝えることで、子どもは「親にも、お祖父ちゃんお祖母ちゃんにも認識されているんだ」という安心感を得ることができるのですね。

また、肯定的に伝えることで、「身近な人が自分を肯定的に見てくれている」という安心感も得ることができます。

このように「周りの目」を逆に利用することで、子どもに安心感を与えることができるのです。

次に、家族がどう思っているかを伝えたら、今度は「家族以外の人」にも伝えてもらいましょう。

親戚の方や、もし幼馴染の友達がいたら、その親御さんに協力をお願いして、お子さんの良いと感じるところを伝えてもらいます。

そうすることで、子どもは「あ、意外と周りの人は、自分を肯定的にとらえてくれているんだ」と実感します。

私自身、大学生の時に、このような取り組みをしました。

身近な人に、「自分はどんな人間か」「良いと感じるところはどんなところか」を伝えてもらいました。

そうすることで、「あ、自分を肯定的にとらえてくれる人がいるんだ」と実感しました。

その実感が安心感を生み、周りの目が気にならなくなっていきました。

意外と人は、自分のことを気にしていないことに気づかせる

意外と人は、自分のことを気にしていないことに気づかせる

お子さんが「身近な人が自分を肯定的に見ていてくれる」ということを十分に実感したら、次に、「人は意外と自分のことに関心がない」ということに気づかせてあげます。

良くも悪くも、人は他人のことをあまり気にしていません。

他人のことより、自分のことを気にしてしまうので、他人のことを気にしている余裕などないのです。

まして、学校であればそうです。

子どもたちは自分がどう思われているかを気にしているので、そこまで他人に関心がありません。

他人を気にするのは、「自分が仲間はずれにされていない」という自分を確認するためだけです。

結局は自分のことなのですね。

このように、「周りの目」はそこまで、お子さんのことを気にしてあげないことを実感させてあげます。

では、どうすれば、周りが自分を気にしていないことを実感できるかというと、お子さん自身に、クラスメイトにどう感じているかを聞きます。

そして、他のクラスの生徒について、どう感じているかも聞きます。

そうすると、クラスメイトのことでも、自分があまりよくわかっていないことに気づきますし、他のクラスの生徒であれば、全然わかっていないことに気づきます。

そのようにして、お子さん自身が他の人をあまり気にしていないことに気づかせてあげます。

お子さんが他の人のことを気にしていないのと同じように、クラスメイトもお子さんのことはあまり気にしておらず、まして、そこまで悪く思っていないことに気づかせてあげます。

このように、周りは自分のことをそこまで気にしていないことを実感すると、「周りの目」が気にならなくなっていきます。

協力的なクラスメイトの一人に、どう思っているかを肯定的に伝えてもらう

協力的なクラスメイトの一人に、どう思っているかを肯定的に伝えてもらう

人は、自分の味方が「一人でもいる」と心から実感できると、とても安心できます。

それがまずは家族であることは間違いないのですが、クラスメイトの中にも肯定的にとらえてくれている人がいるとわかると、より大きな安心感を得ることができます。

ですので、お子さんが仲の良い子や、協力的なクラスメイトの子どもにお願いして、お子さんに対してどう思うかを肯定的に伝えてもらいます。

このように、家にも学校にも、自分を肯定的にとらえてくれる人がいることを実感できると、「周りの目」が気にならなくなっていきます。

だいたい、3人以上の人から肯定的にとらえてもらうと、安心します。

なぜかというと、子どもにとって「3人以上=みんな」だからです。

よく子どもが、ほしいものをねだるときに、次のように言いますよね。

「お母さん、これ買って。だってみんな持ってるよ!」

そこで、「みんなってだれ?」と聞き返すと、

「〇〇ちゃんと、⬜︎⬜︎ちゃんと・・・△△ちゃん(ドヤ顔)」というように、3人くらいしか挙げられません。

子どもにとっては3人以上いれば、それは「みんな」になるのです。

たとえ、「みんな」とはいかなくても、深く関わっている人の半分以上の人が肯定的にとらえてくれることを実感できるなら、そこまで周りの目は気にならなくなっていきます。

むしろ、「周りの目」は自分を肯定的に見ていてくれると思うようになるのです。

このように、「周りの目」を逆に利用して、子どもに安心感を与えてあげることができるのですね。

ですので、まずは、親御さんご自身がお子さんをどう見ているか、肯定的に伝えてあげてください。

また、子どもの心に「自信」が大きくなると、周りの目が気にならなくなっていきます。

以下の記事で、自信を取り戻す方法について書いていますので、こちらも参考にしてみてください。

【自信を失うのは「比較の基準」で人と比べてしまうから|比較しなくなるために3つのステップを踏んで、自信を回復する】

「周り」とは誰のことなのかを、明確にしてあげる

「周り」とは誰のことなのかを、明確にしてあげる

この記事の最初に、「わからない状態が恐怖を与える」ということをお伝えしました。

例えば、お化け屋敷は怖いですが、どこにお化けがいるかわかっていれば、怖さは半減します。

このように、「はっきりしていない状態」が、人を不安にさせます。

「周りの目」が怖い時、その「周り」とは誰のことかをはっきりさせると、怖さが減ります。

クラスメイト全員なのか、異性の目なのか、クラスで冷たく接してくる特定の人なのか。

「周り」をはっきりさせようとすると、実は、その「周り」が少人数であることに気づきます。

意地悪してくる人や、気まずくなってしまった友達などで、クラス全員が怖いわけではないことに気づきます。

そこで「クラスのあの人の目が怖いんだね」と、誰の目が怖いかを特定してあげます。

そして、その上で「じゃあ、あの人とどう関われば良いか一緒に対策を考えよう」と、対策方法を考えると、心が落ち着いていきます。

このように、何を恐れているのかをはっきりさせてあげることで、逆にその怖さを減らしてあげることができるのです。

「周りの目」を活用できることの、心理学的理由

「周りの目」を活用できることの、心理学的理由

最後に、なぜ、このように「周りの目」を逆に利用できるのか、心理学的なことについて、最後にお伝えします。

心理学の中に、「観測者効果」というものがあります。

「観測者効果」とは、「人は見られているイメージのようになっていく」という脳の傾向を言い表したものです。

例えば、アイドルの女性はとても可愛らしいですが、最初から可愛らしかったとは限りません。

実際のところ、デビュー当時は、化粧に慣れていなかったり、おしゃれな服に着慣れていなくて、アイドルというよりは普通の女の子だったという方もいます。

デビュー当時は普通の女の子でも、アイドルとして人の前に立つようになり、ファンから「アイドル」として見られるようになることで、アイドルらしくなっていくのです。

同じように、子どもも身近な人に肯定的に見られていることを実感することで、「観測者効果」により、自分を前向きにとらえられるようになり、実際に前向きな子どもに育っていきます。

このように、恐怖を与えるのが「周りの目」であるならば、安心感と自信を与えるのも「周りの目」なのです。

ですので、お子さんの良いところをたくさん「観測」してあげてください。

そして、感じたお子さんの良いところをたくさん伝えてあげてください。

そうすることで、お子さんにとって「周りの目」は、恐怖を与えるものではなく、安心感を与えてくれるものになっていきます。