自信を失うのは「比較の基準」で人と比べてしまうから|比較しなくなるために3つのステップを踏んで、自信を回復する

不登校になってしまう原因はどのようなものでしょうか?

また、どうすれば、その原因を取り除けるのでしょうか?

今回は、私が仙台で不登校支援の活動をする中で見えてきた、不登校の原因について考えていきます。

不登校の原因は何か?→自信の喪失

不登校の原因は何か?→自信の喪失

不登校になってしまう原因は何なのでしょうか?

 

一言で言ってしまうと、

「自信を失ってしまったから」

です。

 

自信は、車でいう「ガソリン」のようなものです。

ガソリンがなければ車は走れないように、子どもも自信がなければ動くことはできません。

 

「なぜ、学校に行けなくなってしまうか?」

 

それは、学校に行くための、

【心のガソリンがなくなってしまったから】

なのです。

エネルギーが切れてしまったので、学校に行けなくなってしまうのです。

 

ガソリンが切れた状態でエンジンをかけても、エンジンはかかりませんよね。

 

その状態で、

・学校に行きなさい
・ワークだけでもやったら?
・このままじゃ大変なことになるよ!

と言っても、意味がないどころか、

これは、タイヤをパンクさせるようなもので、ますます、子どもが動けなくなってしまいます。

 

ですので、まず最初にすべきことは、
「ガソリンを補給する」
つまり、自信を回復させることなのです。

自信を失ってしまった理由

 

自信を失ってしまった理由

不登校になる理由が「自信を失ったこと」であるなら、

「自信を失う原因」はどのようなものでしょうか?

 

それは

「比較の基準」

です。

 

イメージでいうと、「比較の基準」はブレーキのようなものです。

 

ブレーキがかかったままだと、車は前に進まないですよね。

 

前輪にブレーキがかかり、後輪にもブレーキがかかり、

サイドブレーキがかかっていて、ハンドルロックまでかかっています。

 

このような状態では、到底走り出すことはできません。

 

ですので、まずは、ブレーキとなっている「比較の基準」から
子どもを解放してあげる必要があるのです。

 

比較の基準が「ブレーキ」になっている例は、次のようなものです。

 

私は、身長が164cmくらいです。

男性の中では、背は高くない方です。

加えて、声が高くて、特徴的です。

さらに、歩き方がペンギンみたいで、いわゆる「モテる男」の要素が全然ありませんでした。

 

そんな私は、25歳の時にある女性を好きになります。

半年間、時間をかけ、ゆっくりと彼女と関わりを持っていきました。

 

ところがある日、一人の男性が現れます。

彼は、身長が175cmくらい。

声が低くて男らしい。

サッカーでプロを目指したぐらいの実力者。

話し上手でおもしろい。

足も長い。

服もおしゃれ。

 

私に、男として、かなう要素が全然ありませんでした。

 

・彼に比べて、自分は声がかっこよくない

・彼に比べて、自分は身長が低い

・彼に比べて、自分はスポーツマンじゃない

・彼に比べて、自分は話し下手

 

私は、自分と彼を比べて、落ち込んでいきました。

 

さらに私は、「男として」だけでなく、いろいろな基準を持っていたため、ますます自信を失っていました。

・4人兄弟の末っ子で、一番できが悪い

・社会人として、活躍できていない

・教育者として、無名だ

・お金持ちでない

・頭が良くない

・能力が優れていない

などなど。

その結果、
「生まれてきてごめんなさい」
と、生きていることに罪悪感を感じていました。

 

このように、多くの基準を持って、自分と誰かを比較すると、比較すればするほど、自信を失っていくのです。

子どもが基準に縛られると、どうなるのか?

子どもが基準に縛られると、どうなるのか?

子どもは、基本的に、基準を満たそうとがんばります。

 

70点が平均なら、70点以上を取ろうと勉強します。

おしゃれな服が流行っているなら、自分もその服を着たいと思います。

クラスでおもしろい話をする人がモテるのであれば、
話し上手になることを願います。

 

・・・でも、9割の子どもは、その基準を満たすことができません。

 

満たそうとするけど、うまくいかない。

むしろ失敗して、恥ずかしい思いをする。

 

これが、かなり強烈な記憶になります。

 

かつて私は、自己紹介が嫌いでした。

おもしろい自己紹介ができないからです。

 

自分の前の人がおもしろい自己紹介をしたものなら、

自分の存在を消し去りたくなります。

それでも、自己紹介をしないといけない。

おもしろい自己紹介ができない。

 

案の定、空気が寒くなる。

「もう二度と自己紹介なんてしたくない!」

と心を閉ざします。

 

同じように子どもも、基準を満たそうとがんばります。

でも、満たせません。

 

そして残るのは、怒られた記憶やバカにされた記憶、恥ずかしい思いをした記憶です。

何かをやろうとするとその記憶がよみがえって、身動きが取れなくなります。

 

不登校になってしまう子は、たいていが頑張り屋さんです。

 

がんばってがんばってがんばった結果、

怒られ、バカにされ、恥ずかしい思いをします。

 

【がんばった結果がこれなら、もう二度とがんばりたくない】

 

そう思って、逃避をするようになります。

 

なぜ、お子さんがゲームばかりするのか?

逃避をするためです。

 

なぜ、YouTubeばかり見るのか?

これも逃避をするためです。

 

なぜ、学校に行かないのか?

苦しい思いをしたくないからです。

 

この状態で、

・学校に行きなさい

・ワークだけでもやってみよう

・週1回でいいから、学校に行ってみたら?

と言うのは、

つきゆびした指を、思いっきり握るようなもので、激痛が走ります。

ますます、心を閉じてしまいます。

 

ですので、まず最初にすべきことは何か?

それは、

【比較の痛みから解放してあげること】

なのです。

 

基準から解放されるとどうなるか?

 

基準から解放されるとどうなるか?

つきゆびした状態では、シャーペンを握れないですよね。

足がねんざした状態では、歩いて学校に行くのはつらいです。

口内炎が口の中にあると、ご飯が食べられません。

 

同じように、心に「基準」という口内炎ができていると、

学校へ行くのも勉強するのも、

痛くて痛くて、とてもできたものではないのです。

 

ですので、まずは、口内炎を治すように、

子どもの心を基準から解放してあげます。

 

では、

「基準から解放されるとどうなるか?」

というと、

口内炎が治った後のように、自由にご飯が食べられるようになり、ハミガキも楽にできるのに似ています

 

不安がないので、学校に行くことができます。

勉強の苦痛がないので、勉強が楽しくなります。

人間関係が怖くなくなるので、学校が楽しくなります。

 

そうなれば、学校へ行くことは、怖いものではなくなりますよね。

 

自分から勉強をするようになりますし、友達に会いたくて、学校に行くようになります。

家でのお手伝いを始めるようになるかもしれません。

 

こうなるためにも、
まずは、子どもの心にある
「基準」という口内炎を治してあげる必要があるのです。

 

どうやって、基準に縛られるようになるのか?

どうやって、基準に縛られるようになるのか?

どんな基準で縛られているかは、子どもそれぞれです。

年齢によって違います。

 

ですが、だいたい、次の3つのどれかで、基準に縛られるようになります。

⑴学校
⑵友人関係
⑶親子関係

⑴学校

学校に行けば、いろいろな基準で比較されます。

・テストの点数
・内申点
・部活のかっこよさ
・彼氏、彼女のステータス
・おしゃれ度
・トークのおもしろさ
・流行の乗り具合

などなど。

⑵友人関係

友人関係でもかなり比較します。

親しいからこそ、距離が近くて
よりいっそう比較してしまうのかもしれません。

例えば、

仲の良い友達がみんな、彼氏彼女ができて、クリスマスは自分だけがひとりぼっち。

クリボッチ(クリスマスにひとりぼっちの略)な自分は、情けない。

そう感じる子どもは少なくないようです。

⑶親子関係

「兄さんはこうなのに、あなたはどうしてできないの?」

このように、兄弟と比較されると、強烈に傷つきます。

「生まれてきてごめんなさい」という気持ちになります。

 

「〇〇さんのお子さんは、成績優秀らしいよ」

このように、他の家族と比較されても痛烈に傷つきます。

「自分が、堀江家に生まれてきてしまって、ごめんなさい」という気持ちになります。

 

親が、何かの基準で子どもを比較してしまうと、強烈に自信を失います。

 

以上のように、「学校」「友人関係」「親子関係」の中で、多くの子どもが基準に縛られるようになります。

どうすれば、子どもが「基準」から解放され、自信を回復するのか?

どうすれば、子どもが「基準」から解放され、自信を回復するのか?

⑴専門家に任せて、家庭でも原因を取り除く

では、どうすれば、子どもを基準から解放してあげられるのでしょうか?

1つは専門家に任せることです。

虫歯ができれば、歯医者にいくように、専門家に任せてしまうのが、一番早いです。

 

ですが、任せるだけではダメです。

虫歯を治したのに、家で甘いものばかり食べさせていれば、
また虫歯ができるかもしれないですよね。

家での習慣が変わる必要があります。

 

同じように、家・学校・友人関係で、自信を失う原因を減らす必要があるのです。

 

その時に一番効果的なのは、

「親子関係の中にある基準」

から解放することです。

 

親子関係で、

「自分は受け入れられいる」

という安心感を得られると、

学校や友人関係で何を言われても、それほど気にならなくなります。

 

一方で、学校や友人に恵まれていても、
親にほめられていなければ、自信を持つことはできません。

それぐらい、親子関係は重要です。

 

逆に考えると、親子関係次第で、子どもは自信を回復することができます。

<さきさん(仮名)の話>

私とさきさんの最初の授業は、高校1年生の時でした。

授業の内容は「九九」

さきさんは、高校1年生でありながら、「九九」の7の段以降を完璧に言うことはできませんでした。

 

ですので、最初の授業は、

「7の段の練習をしよう」

と始まったのを覚えています。

 

普通で考えたら、「九九」が言えないのは、高校生として、かなりまずいです。

 

ですが、さきさんは、とても前向きで、何1つ劣等感を感じていないようでした。

「私、7の段が言えないんだ。すごいでしょ♪」
とネタにするくらい、前向きでした。

 

ある中間テストのことです。

さきさんは、生物のテストで「8点」を取りました。

 

さきさんは

「ほりえもん、私、生物で8点だった♪」

と笑顔で報告してくれました(苦笑)

 

私は、

「お、おう、そうか。お母さんはなんて言ってた?」

と聞きました。

 

そのさやさんの返答に、私は驚きました。

 

「お母さん?ほめてくれたよ」

 

普通であれば、かなり怒られるでしょう。

ですが、さきさんのお母さんは、怒るどころか、ほめてくれたそうです。

 

では、どのようにほめたかというと、

ーーーーー

点数は8点だったけど、答案に、自分なりの答えを書いていたよね。

白紙じゃなくて、答案を埋められているってことは、勉強した証拠。

がんばって勉強したんだね。

ーーーー

というようにほめてくれたそうです。

 

お母さんすごい!!

敬服しました。

 

さきさんは、根本的に自信をしっかり持っていたので、

勉強を方向付けてあげることで成績は伸びていきました。

 

高校3年の最後のテストでは、過去最高点、クラス上位の結果を残して、卒業しました。

 

親から信頼されているというのは、本当に強いです。

今がどんな状態であっても、きちんと方向付けてあげれば、どんどん伸びていきます。

それぐらい、親がどのような基準で子どもを見ているかが重要なのです。

 

子どもを「比較の基準」から解放する3つのステップ

子どもを「比較の基準」から解放する3つのステップ

では、具体的にどうすれば、
子どもを「比較の基準」から解放することができるのでしょうか?

 

今回は、
次の3つのステップをご紹介します。

⑴子どもが抱えている基準に気づく

「気づく」

というのがとても重要です。

気づくだけで、変化が起きます。

 

「あ、うちの子、こういう基準で縛られて、苦しい思いをしていたんだ」

と気づいてあげると、
「観測者効果」で子どもに良い影響がいきます。

(「観測者効果」については、違う機会にお伝えします)

⑵親自身が、自分を縛っている基準に気づく

親が、子どもを比較してしまう時、親自身が、自分を基準で比較している場合が多いです。

・私は、親として足りていない
・〇〇さんのお子さんは優秀、私はダメな親だ
・親として、失敗ばかりだ

というように、親自身が自分を誰かと比較しています。

 

その原因は、親自身が、比較された経験がある場合が多いです。

親自身が

・自分の親に比較された
・10代の頃に学校で比較された
・社会に出てから職場で比較された

など、比較された苦い体験をしています。

 

基準に縛られている人は、誰かを基準で縛ってしまいます。

逆に、基準から解放されている人は、人を解放してあげることができます。

 

ですので、まず、親自身が、自分を縛る基準に気づくことが近道なのです。

 

これも、気づくだけでOKです。

気づくと、基準の拘束力は弱まります。

 

モヤっとした瞬間やイラっとした瞬間に、

「なんでモヤっとしたのだろう?どんな基準に縛られているのだろう?」

と自分に問いを投げかけます。

 

このように、問いを投げかけ続けているうちに、親自身が基準に縛られなくなっていきます。

親自身が基準に縛られなくなると、「観測者効果」で子どもに良い影響がいきます。

 

⑶基準に対して、問いを投げかけてあげる

この方法は、まず親自身が基準から解放されている必要があります。

 

インフルエンザにかかっているお医者さんに診察されたくないですよね。

かえって、ひどいインフルエンザ菌をうつされてしまうかもしれません。

そのお医者さんは、診察する前に、自分を治す必要があります。

それから、人を診察できるようになります。

 

同じように、親自身が基準から解放されると、

親が子どもを基準から解放してあげることができるようになります。

 

では、どうすることで、
子どもを基準から解放させることができるのかというと、
「問いを投げかけること」なのです。

まず、子どもがどんな基準に縛られているのかを言語化してあげます。

その基準に対して、疑問を投げかける問いをしてあげます。

 

「身長低いことに自信がないんだね?身長低いと本当にモテないのかな?」

というように、子どもを縛っている基準に対して疑問を投げかけます。

 

そうすると、身長が根本的な問題でないことに気づきます。

(私の場合、ネガティブさが根本的な原因でした)

 

子どもが、

「あ、これって、自分を縛るものじゃないのだな」

と気づけると、かなり強力に、基準の縛りが解かれます。

 

少しマニアックな知識になりますが、子どもが基準で自分を縛る時、

「一般化」「歪曲」「削除」

をしています。

 

ですので、その逆に、

「具体化」「訂正」「復元」

を促す問いを投げかけることで、基準から解放されます。

「比較の基準」から解放された後にどうするか?

「比較の基準」から解放された後にどうするか?

このように、基準から解放してあげたら、今度は、前に進めるように促します。

口内炎が治っても、ご飯がなければお腹が空いたままですよね。

 

では、どのように前に進ませればいいかというと、次の4つのステップがあります。

①何をしたいかを、徹底的に聞く
②どうすればそれが実現できるかを考えさせる
③失敗することを許す
④親自身が未来を目指す

この4つのステップについては、別の機会にお伝えします。

 

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