不登校の子どもがネット依存になる3つの原因と、その対処法|Y君の回復事例を元に

「不登校になったわが子。

不登校になって以来、ネットやゲームに依存している。

最初は、朝ちゃんと起きていたし、学校へ行こうとする様子もあったから良いけど、徐々に生活リズムが崩れ、ついには昼夜逆転。

今では、学校は諦めている様子。

家で何をしているかというと、5時間、6時間ぶっ通しでネットやゲームをやっている。

もちろん、学校に復帰してくれたら嬉しい。

でも、それは難しそう。

だから、ネットやゲームをやりたい気持ちもわかる。

ただ、せめて、生活リズムだけでも整えてほしい。

このままの状態だと、体も心も、取り返しのつかないことになってしまう気がするから」

お子さんが不登校になり、ネット依存・ゲーム依存になっている姿を見ると、このような不安が出てきますよね。

だから、「なんとかしないと」と思っても、どうしたら良いかわからない。

子どもに「ちょっとだけでも勉強しよう」「朝食だけでも食べて」と提案して、最初は聞き入れてくれたけど、徐々に効果がなくなってくる。

効果があるどころか、不機嫌になり、逆効果になってしまう。

だからと言って、何もしないわけにいかないのに、どうしていいかわからない。

まさに、八方塞がりの状態になってしまいます。

学校に行けないのはまだ仕方ないにしても、生活のリズムだけでも整えてほしい。

そんな願いもあるのではないでしょうか?

この願いを叶えるには、どうしたら良いのでしょう?

今回は、不登校の子どもがネット依存になる原因を分析して、その原因への対処法をお伝えします。

その際、実際にネット依存から脱却できた、Y君に起きた変化を参考にします。

Y君がネット依存から脱却することを助けた、3つの変化

Y君がネット依存から脱却することを助けた、3つの変化

Y君は、中学2年生の秋に、不登校になりました。

仲の良かったクラスメイトから仲間はずれにされるようになり、Y君がクラスメイトに話しかけても、冷たい空気で、軽くあしらわれるようになりました。

そのストレスが腹痛として現れるようになり、ついには学校に行けなくなりました。

家にいてもやることがないので、ネットゲームをするようになります。

ネット上では、一緒にゲームができる友達がいました。

ただ、その友達は学校に行っているので、昼間は一緒にゲームをすることができません。

それで、友達とゲームをするために、夜になってからゲームをするようになりました。

徐々に、寝る時間が遅くなり、明け方4時くらいまでゲームをするようになり、昼夜逆転になります。

本人もこのままじゃまずいと思って、生活リズムを整えようとしますが、夜に目が冴えてしまって、朝まで眠れずにいました。

眠れないことのストレスや、そんな自分への自己嫌悪などが積み重なり、そのストレスを発散するために、ますますネットゲームに依存するようになりました。

そんなY君でしたが、私がサポートするようになってから5ヶ月ほど経って、ネットゲームをやらなくなりました。

Y君は「もうゲームは飽きました」と言って、ほとんどゲームをやらなくなり、生活リズムが整っていきました。

今では、市の適応指導教室に通うことができています。

では、Y君はどうやって、ネット依存から脱却することができたのでしょうか?

次の3つ変化が、ネット依存脱却を後押ししました。

その3つの変化とは、以下のようなものです。

  • マンガやアニメを観るようになったこと
  • 英語の教科書の音読で、自信を取り戻せたこと
  • 喫茶店に行くなど、外の世界に触れるようになったこと

では、なぜ、これらの変化が、Y君をネット依存から脱却させたのでしょうか?

不登校の子がネット依存になる、3つの原因

不登校の子がネット依存になる、3つの原因

ネット依存になる子どもたちは、ネット依存になることを望んでいるわけではありません。

本当は学校に行きたいですし、生活リズムを整えたいと思っています。

でも、心理的にせざるを得ない状態になっているため、やめることができずにいます。

では、なぜネットやゲームに依存してしまうのかというと、これには、次の3つの理由があります。

  1. 時間がありすぎるから
  2. ストレスや不安を感じなくするため
  3. 人との関わりがほしいから

1 時間がありすぎるから

不登校になると、時間を持て余してしまいます。

睡眠時間が8時間で、食事やその他で2時間使ったとしても、14時間も時間があります。

14時間もあったら、大人でも時間を持て余してしまいますよね。

人間は暇になると、かなり苦痛です。

不登校の子が暇を潰そうとしても、家の外に出るのは嫌なため、家で時間を潰すことになります。

家でやることはとても限られているため、ネットやゲーム以外に、時間を潰す方法がないのですね。

他にすることがないから、ネットやゲームをしてしまう。

このような状態になっています。

2 ストレスや不安を感じなくするため

人間は、時間があると、マイナスのことを思い浮かべてしまう傾向があります。

「あぁ、みんなは学校に行っているのに、自分は学校に行けていない」

「勉強も全然できていない。高校行けるのかな」

「親に心配をかけている。こんな自分が嫌いだ」

このような負の感情が次々と沸き起こってきます。

このようなストレスを、14時間も味わい続けるのは、本当につらいことです。

ですが、ネットやゲームをやっている時だけは、そのストレスを味わわずに済むことができます。

むしろ楽しいです。

それで、ストレスを味わわないために、ネットやゲームをするようになるのです。

ここで問題なのは、ネットやゲームを楽しんでしまうと、やり終わった後、楽しかった分だけ、反動で負の感情が大きくなってしまうことです。

大きくなった負の感情から逃れるために、またネットの世界に戻っていきます。

やり終わると、楽しかった分だけ、さらに負の感情が大きくなるため、ネットやゲームの世界にますます入っていくようになります。

3 人との関わりがほしいから

最近は、ネットで人とつながれるようになりました。

LINE電話などで話をしながらゲームをすることもできます。

このように、直接人と会わなくても、人とつながれるようになりました。

人間は、一人にやると寂しくなります。

当然、人とのつながりを求めます。

不登校の子どもは、学校での人との関わりがない分、ネットで人とのつながりを求めるようになります。

ネット上で人とのつながりを求めるのは、不登校の子どもに限ったことではありません。

学校に行っている子どもでも、深夜遅くまでLINEをやるなど、ネット上の人とのつながりを求めています。

「私、リア友(実際に会う友達)より、ネッ友(ネット上の友達)の方が多いです」

という子どもは少なくありません。

まして、学校での人との関わりがない子にとって、ネット上の友達は貴重な人とのつながりですので、それを求めて、ネットに依存してしまうことは当然なのです。

ネット依存脱却のため、最初に取り組んでほしい3つのこと

ネット依存脱却のため、最初に取り組んでほしい3つのこと

ここまで、ネット依存になる原因をみてきましたが、逆に考えると、これらの原因に対処できるのであれば、ネット依存はなくなっていきます。

では、どうネット依存の原因に対処していけば良いのでしょうか?

以下の3つを心がけてみてください。

  1. ネット以外にやることをつくる
  2. 負の感情を発散させる
  3. 親子で旅行に行って、外の世界に触れる

1 ネット以外にやることをつくる

ネット以外にやることがなくて、ネット依存になるのであれば、まずはやることを作ってあげる必要があります。

ネット以外にやることができる分だけ、ネット依存がなくなっていきます。

では、何をさせてあげれば良いのかというと、次の3つがお勧めです。

  • マンガやアニメを観る
  • ペットを飼う、植物を育てる、料理を作るなど、五感を刺激することをやる
  • 国語の教科書を音読する

・マンガやアニメを観る

いきなり、勉強をさせようとしてもうまくいかないことが多いです。

読書も難しいです。

一方で、マンガやアニメだと、入り口として入りやすいです。

また、マンガやアニメを観ると、感情の発散に役立ちます。

主人公がつらい状況から乗り越えていく姿が描かれていたり、仲間と助け合う姿が描かれたりしていて、感情移入をしやすいので、マンガやアニメを観ることで、感情を発散することができます。

大人でも、映画やドラマを観て思いっきり泣くことで、ストレス発散になることってありますよね。

また、マンガやアニメの中には、哲学的な内容が描かれている作品があります。

  • 社会に対する問題提起
  • より良い人間関係とはどのようなものか?
  • 人生の目的とは何なのか?

このようなことが描かれているため、マンガやアニメを観ることで、思考するきっかけになります。

(抽象的な思考をすると、不安が消えて、心がすっきりします)

ゲームの中にも哲学的な内容が含まれているものもありますが、ゲームは刺激の方が強いため、思考はあまりできません。

楽しいかつ思考できるという点で、マンガとアニメを観ることがお勧めです。

また、マンガやアニメが好きになると、ライトノーベルなどに興味を持つようになることがあります。

それで本を読む習慣がつくと、より思考ができるようになりますし、本屋にいけばいくらでも本があるので、ひまつぶしに困ることはありません。

Y君は、マンガやアニメを観るようになり、まず、時間を持て余すことが減りました。

それがストレスを軽減してくれました。

また、アニメを観て、自分の人生についても考えるきっかけになったようです。

ある日、Yくんは「アニメは、大人が観ても良いくらい、深いことがつまっているように思います」と感想を話してくれました。

そして、このように、私とアニメについていろいろ話をしたことが、人とのつながりを感じる機会にもなったと考えられます。

・ペットを飼う、植物を育てる、料理を作るなど、五感を刺激することをやる

次にお勧めなのが、ペットを飼う、植物を育てる、料理を作るなど、五感を刺激するものをやることです。

ネットやゲームをすると、刺激を受けることで、一時的に負の感情を忘れることができます。

ただ、ネットやゲームをしている間に負の感情が忘れられる一方で、やりすぎると、五感の反応が悪くなります。

五感からの刺激を感じられなくなるため、無気力になったり、より刺激を求めるようになったりして、ますますネットやゲームに依存するようになるのです。

ですので、五感を刺激するものをやることによって、五感の反応を良くし、ネットやゲームに依存する必要を減らしていきます。

ペットを飼う、植物を育てる、料理を作るというのは、五感を存分に使います。

ペットを飼うとペットとのつながりを感じられますし、料理を作って家族で食べれば、家族とのつながりも実感することができます。

五感の感覚を取り戻したり、人とのつながりを実感するためにも、これらの3つはお勧めです。

・国語の教科書を音読する

このようにして、少し生活に変化が起きてきたら、親子で一緒に、国語の教科書を読むことがお勧めです。

詳しくは以下のページに書いてあるのですが、

  • やりやすいので勉強の入り口として最適
  • 成長を実感できるので自信を取り戻せる
  • 勉強をしている安心感を得られる
  • 感情を発散できる

などの、利点があります。

【登校拒否の解決、第一歩目(仙台)|セルフイメージ(自信)を回復する3つの方法】

親子で一緒に教科書を読んで感想を話し合うなどしたら、人とのつながりもより実感できますよね。

Y君の場合は、英語の教科書を音読しました。

Y君は聴覚が優れているため、英語を聞き取るのが上手です。

英語の教科書を音読して、どんどん英語の文章を読めるようになったことで、自信を取り戻すことができたと考えられます。

2 負の感情を発散させる

負の感情が心に溜まると、苦しくなります。

逆に負の感情を発散できると、心が楽になります。

負の感情を発散させるには、次の3つがお勧めです。

  • 親が子どもの話を、問いを与えながら、中立の立場で聞いてあげる
  • 感情をノートに書かせて、言語化させる
  • マンガやアニメ、映画など、感情移入できるものを視聴する

・親が子どもの話を、問いを与えながら、中立の立場で聞いてあげる

子どもの話を聞いてあげるのは、負の感情を発散させるのに、とても効果的です。

大人でも、人に話を聞いてもらうと、心がすっきりしますよね。

人は話をしようとすると、言語化するために思考します。

話そうとすることで、抽象的な思考をするので、負の感情が消えていきます。

それで、心がすっきりするのですね。

ただ話を聞いてあげるのでも良いのですが、問いを与えながら聞いてあげると、子どもの心がよりすっきりします。

それは、問いを与えることで、より深く言語化しようとして、子どもが抽象的な思考をするからです。

「そっか。眠れなくてつらいんだ。つらいってどんな感じ?」

「イライラするんだ。何にイライラしているのだと思う?」

このように、子どもが話してくれた内容を、より深めるように問いを与えてあげます。

この時に大事なのは、中立的な立場で聞いてあげることです。

例えば、子どもが学校で嫌な思いをしたと話してくれた時に、親が感情移入をしてしまい、学校にクレームを入れたい気持ちになったりすると、負の感情は消えるどころか増幅してしまいます。

ですので、子どもの気持ちを、否定するわけでも、肯定するわけでもなく、中立的に聞いてあげる必要があります。

カウンセラーに話をすると良いのは、中立的に話を聞いてくれるからなんですね。

・感情をノートに書かせて、言語化させる

子どもの中には、あまり自分の気持ちを話したがらない子がいます。

そのような場合は、感情をノートに書かせてあげるのが効果的です。

文章化しようとすることで、抽象的な思考をするので、負の感情が消えていきます。

・マンガやアニメ、映画など、感情移入できるものを視聴する

先ほどお伝えしましたが、マンガやアニメ、映画など、感情移入できるものを視聴することも、負の感情の発散には効果的です。

一緒に視聴し、観終わった後に、親子で感想を話し合うのも良いでしょう。

3 親子で旅行に行くなど、外の世界に触れる

旅行に行くと、新しい刺激を得ることができます。

子どもが家にずっといると、負の感情がどんどん溜まっていき、「世界すべては敵だ」というような気持ちになってしまうことさえあります。

ですが、旅行に行って外の世界に触れると、「自分の世界がすべてではないのだな」と感じて、負の感情が小さくなります。

旅行に行くことで、新しい記憶ができるため、負の感情を引き起こしている過去の記憶の影響を小さくすることができるからです。

また、親子で旅行に行くことで、人とのつながりを感じることができます。

特に親が自分の味方であることを子どもが実感できると、子どもの心はすごい楽になります。

一旦、学校のことや子どものこれからのことを置いておいて、親子で旅行に行って、気分転換をするのはいかがでしょうか?

Yくんの場合、旅行ではないですが、私と喫茶店にいきました。

その喫茶店をとても気に入ってくれて、私がいない時でも、自分で喫茶店に行くようになりました。

家の外に楽しい世界があることを知り、外出することが増えました。

今では、ネット上の友達を誘って、アニメのグッズを買うため、地下鉄に乗って街中に出かけることが増えました。

このように、外の世界に触れたことがきっかけで、Yくんはどんどん外に出るようになっていきました。

他の子どもの不登校から復帰した事例

他の子どもの不登校から復帰した事例

以上のように、Yくんの事例を取り上げながら、ネット依存になる原因とその対処法を見てきました。

ただ、ネット依存になる理由は、子どもによって違いがあるため、Yくんの事例がすべての子どもに当てはまるわけではありません。

以下の記事では、他の子どもの不登校からの復帰事例が書かれていますので、こちらも参考にしていただけたら、よりネット依存への対処法が見えてくると思います。

【不登校の支援の方法(仙台)|実際に復帰した3人の事例から考える3つのポイント】

参考にしていただけたら幸いです。

 

 

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